「七ツ梅酒造跡」は、江戸時代にできた日本酒の酒蔵をリノベーションした観光スポット。レンガ造りの建物や蔵、古びた煙突が立つ敷地内を歩くと、一気に50年くらいタイムスリップしたような不思議な感覚になるんだ。ここには今、コーヒーショップや古書店、それに映画館もあって、県外からやって来る人も多いんだって。そんなレトロな七ツ梅酒造跡の一角で、2024年4月にオープンしたのが「臺灣莊うるふーど(台湾ソウルフード)」という台湾屋台料理のお店。店主の莊東諺(そうとうげん)さんは両親が台湾の人なんだけど、生まれも育ちもずっと日本。台湾のおいしい料理や文化を発信しようとこのお店を開いたんだって。
莊さんは東京の蒲田という街で生まれ育ち、20代の頃は映像クリエイターとして活動していたそう。制作会社を独立してからは都内のバーで店長をしながら映像の仕事を続けていたんだけど、お父さんが経営するお店「東華楼」を手伝うために埼玉へ。もともと料理が好きだったこともあり、「東華楼」でも滷肉飯(ルーローハン)や雞肉飯(ジーローハン)といった本場台湾のメニューを出すようになると次第に「おいしい」と評判になったんだ。「台湾料理の専門店を自分で出してみたい」。そう思うようになった莊さんは物件を探すうちにこの七ツ梅酒造跡のテナントと巡り合ったんだって。
読み方は「ルージーローハン」。台湾屋台料理の代名詞ともいえる滷肉飯と雞肉飯を合い盛りにした看板メニューで価格は1,000円。「埼玉でも台湾料理の専門店が増えていますが、両方をいっぺんに味わえる合い盛りで出している店は少ないんですよ」と莊さん。豚バラをじっくり煮込んだ滷肉飯は、八角という中国の香辛料が効いていて異国の味わい。と言ってもクセのない香りだからごはんが進むね~。一方の雞肉飯は蒸した鶏肉に特製の塩だれがかかっていて、あっさりだけどコクのある味。付け合わせの台湾メンマと高菜炒めも台湾ではポピュラーなごはんのお供なんだって。
こちらは冬限定スイーツの「熱豆花(オントウファ)」(700円)。豆乳で作る台湾の国民的スイーツで、さつま芋をつぶして作る芋圓(いもえん)もすべて莊さんの手作り。きび砂糖のシロップはさっぱりとした甘味があって、モチモチ食感の芋圓はクセになる~。
ジュースのラインナップが豊富なのも「台湾屋台らしいとこ」と莊さん。台湾コーラやアップルサイダー、グァバジュースに台湾フルーツ牛乳はマンゴー味とパパイヤ味の2種類を販売中。価格はどれも350円。ちなみにドリンク持ち込みもOKなんだって。
お店の片隅にある雑貨コーナー「禮物楽園」には、莊さんが台湾で仕入れてきたアイテムがいろいろ並んでいるよ。写真にはないけど、漁師網で作ったカラフルな漁師バッグも販売していて、雑貨コーナーには漁師バッグのピンバッジなんかもあるんだよ~。
公式Instagram
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