今回の目的地は加須市のほぼ中央、「豊野コミュニティセンター」にできたとんかつ屋さんの「かつきち」。市内で営業していたお店を昨年9月に閉めて、約半年の充電期間を経て2024年3月に移転オープンしたんだ。厨房で調理を担当しているのは、この道17年目の齊藤静雄さん。大利根町(現・加須市)で生まれ育った齊藤さんは30年以上にわたり精肉店を営んだあと、57歳でこのお店を始めたんだって。その理由は「体力が衰えて、大きな肉を担ぐのが大変になったから飲食店に変えたの」。精肉店時代にとんかつやコロッケなどの総菜を作っていた経験を活かして「かつきち」を開いたってわけなんだね~。
肉のプロ・齊藤さんがお店で使う豚肉がこの香り豚。加須の優れた製品や農産物だけに認められる「かぞブランド」品になっていて、市内にある松村牧場で飼育されている豚肉なんだ。トウモロコシを配合した飼料で育った香り豚は、柔らかい肉質とあっさりとした味わいが特徴。そのロース肉を大きな塊で仕入れて、齊藤さんが1枚ずつ切り出しているんだよ。お店では創業時からずっと香り豚を使っていて、女性やお年寄りにも「この肉は食べやすい!」と評判なんだって。…と聞いていたら、僕も食べたくなってきちゃった。齊藤さん、とんかつ定食をひとつお願いします!
待つこと約5分で運ばれてきた「香り豚ロースかつ定食1,200円(ランチメニュー価格)」。で、でかい。ひと口目は真ん中から一切れ抜き出してパクッ! サクサクの衣に包まれた肉は、ビックリするくらいしっとりとした食感だ。「肉の芯まで火が入りきらないうちに油から上げて、最後は余熱で火を入れてるんです。揚げ過ぎると肉が固くなっておいしくないからね」と齊藤さん。だからこんなに柔らか~く仕上がるんだね。そうそう、定食はごはんとキャベツがお代わり自由なんだよ。もりもり食べられるのが嬉しいよね~。
ランチタイムは「香り豚の生姜焼き定食1,080円」を目当てに来る常連さんもいるとか。肉の芯までギリギリ火が入る状態で焼き上げるから、こっちもふっくら柔らか。生姜焼きって、ご飯がどんどん進むよね~。
「米や野菜はなるべく加須産を使う」のが齊藤さんのこだわり。定食に付いてくる小鉢も、齊藤さんの奥さんが手作りしているんだって。お母さんが作ってくれるような優しい味付けで、なんだかほっこりしちゃう。
大きな窓から陽光がさし込む広~い店内。窓際には大きな座敷席もあって、家族連れなど大人数でもゆったりと食事を楽しめるんだ。建物の前には大型駐車場もあるから、雨の日でも気兼ねなく来られるのがいいね。