桶川駅西口から車で10分弱の住宅地にポツンとたたずむ「はらこーえん」は、今から10年前にオープンしたベーグル専門店。ベーグルの歴史は400年以上前とも言われていて、東欧に住んでいたユダヤ人たちが食べていたのが始まりなんだとか。その後、ベーグルはニューヨークでブームとなり、日本では1990年代から専門店が出店するようになったんだ。ドーナツみたいな輪っかの形をしたベーグルはもっちりとした食感が特徴で、バターを使わないヘルシーなパンとしても有名なんだよ。プレーンやチョコ、ライ麦など10種類以上のベーグルと、お惣菜系・スイーツ系のベーグルサンド、タルト、シフォンケーキが店内にずらりと並んでいるよ。
店主は、某有名ホテルでパティシエを務めていた瀧澤祐一さん。小学生の時から行田市で過ごし、高校卒業後は製菓の専門学校で勉強してホテル業界で約40年にわたりお菓子やパン作りに携わっていたんだ。「40歳でパティシエ部門の料理長になり、何十人もの部下を抱えながら働いていました」。定年退職を控えた頃、瀧澤さんは第2の人生に何をして過ごすかを考えるようになったそう。「私のこだわりを思う存分に詰め込んだ店をやろうと決めました。最初はアップルパイの店を考えましたが、アップルパイだけで集客するのは難しいかなと…」。長年の経験を生かせて、しかも他店と差別化を図れる商品で開業しようと考えていた頃、奥さんから「ベーグルってどう?」とのアドバイスが。パンづくりは長年やってきたからベーグルならできるかも。瀧澤さんはすぐにベーグルづくりの研究を始め、ホテルを退職後にこのお店を開いたんだ。
ベーグルや焼き菓子に使用するのは、北海道産の「はるゆたか」っていう国産小麦。「私がホテルに勤めていた頃は『製パンにはカナダ産の小麦粉』というのが当たり前でした。けど国産小麦は香りが豊かだし、近年は品種改良されて製パンに適した上質な小麦粉があるんです」。北海道にいる知り合いに教えてもらったという国産小麦の「はるゆたか」に天然酵母を混ぜ、生地を練って発酵。「天然酵母と国産小麦の相性がとても良くて、小麦の香りが一段と強く出るんですよ」。発酵させた生地を焼く前、ベーグルの生地を茹でることで、あのもっちりとした食感が生まれるんだって。「お客様の身体のことを考えて、小麦や酵母のほかにもなるべくオーガニックの素材を使うようにしています」。
自家製フィリングを挟んだベーグルサンドは、お惣菜系2種と甘い系1種をラインナップ。この日は「スモークチキンときんぴら」と「ハムとツナ」が用意されていて、ランチ用に購入していく人も多かったよ~。
瀧澤さんが丹精込めて作る「イチゴタルト」は2カット入り600円、ホール2,400円。みずみずしいイチゴがたっぷりのった贅沢タルトは人気の一品。秋には信州産リンゴのアップルパイも登場するよ。ホールで買う場合は事前予約してね!
シフォンケーキは定番のバニラと季節限定のチョコレートを販売中。なめらかでふわっふわの食感で、コーヒーや紅茶にぴったりだ! こちらもホールで買う時は事前予約するのがおすすめ。プレゼント用にもいいよね。