「伊奈中央駅入口」交差点にある「蕎麦きり さいとう」は、平成16年の開店から地元で親しまれてきたおしゃれなそば屋さん。白いのれんをくぐって店に入ると、元気よく「いらっしゃい!」と迎えてくれた店主の齋藤健司さん。昭和47年生まれの齋藤さんは、お父さんがそば職人をしていて、小さい頃からお店を手伝ったりしていたんだって。大学卒業後は就職をしたんだけど「やっぱり自分もそば職人になる!」思ってこのお店を開いたそう。「会社員時代は全国の有機農家さんとやり取りしてましてね、そのうちに私自身も作り手になりたいなと思うようになり、30歳を過ぎて実家に入りました」。
お店で出しているそばは、北海道産のそば粉10割に小麦粉を2割配合した「外二」というもの。そばの実の状態で仕入れて、店内にある石臼の製粉機で毎日挽いているんだ。そばつゆはもりそば用、かけそば用など風味の異なる4種類の出汁をとっていて、厳選した日高昆布や宗田節、サバ節、干しシイタケなどを使い分けているんだ。それに合わせる「かえし」も薄口醤油ベースと濃口醤油べースの2種類。特にせいろそば用の冷たい汁は1カ月以上も熟成させたかえしと出汁を合わせ、加熱しては冷ますを繰り返してまろやかな味わいに仕上げてからお客さんに出すというこだわりよう。自称「手打ちバカ」のこだわりがぎゅ~っと詰まったそばなんだ。
今日ごちそうになったのは「穴子天せいろ」(1600円)。茹でたてのせいろそばに揚げたての穴子の天ぷらが食べられる「蕎麦きり さいとう」で人気No.1の商品なんだ。まずはそばをひと口。んっ!そばつゆは醤油の風味がかなり効いてて、でも出汁の旨味とバランスがよくて、これは個性的なおいしさ! そばの優しい香りを醤油の風味が包んで、なんとも印象深い味わいだね~。穴子天には天つゆとモンゴル岩塩がついていて、好きな味で食べられるんだ。ふんわりと揚がった穴子の食感はクセになるかも。穴子の甘みがふわりと口に広がっていき…これが人気No.1というのは納得だね。
これが石臼の製粉機。上から玄そば(そばの実)を入れたら、石臼をゆっくりと回転させて挽いていくんだ。1分間に16回転が齋藤さんルール。高速回転でガシガシと挽くよりもそばの栄養分を残せるんだって。
朝早くに大宮市場で仕入れてきた新鮮な天然穴子を店内でさばき、注文のたびに揚げて提供しているんだよ。中心まで火が通るか通らないかギリギリの状態で揚がった穴子天は、ふっくら食感でおいしい~!
テーブルが16席と小上がり10席。パパママと一緒に明るい小上がりの席でゆったりとそばを楽しんでね。店内には齋藤さんが愛読してきたそば関係の本がいっぱい。そばがどんな風にできるかを勉強できるよ。