加須駅から歩いて10分ほどの場所にある「来集軒 元町本店」。店主の卯都木(うつぎ)弘さんがお店の長~い歴史について教えてくれたよ。お店の創業は昭和4年というから今からなんと91年前! 浅草で明治時代からやっていた「浅草来集軒製麺所」で働いていた卯都木豊松さんが独立し、台東区入谷で「中華料理 来集軒」を開いたのがルーツなんだ。戦争が激しくなった昭和19年に店は加須市へと移転し、それからずっと地元の人たちに愛される町中華。このモノクロ写真は昭和30年代のお店の様子だよ。
厨房でラーメンを作るのは3代目の卯都木弘さん。行田市出身の弘さんは高校を卒業した昭和50年に「来集軒」へ弟子入りし、先代のもとで麺打ちやスープ作りを学んだのちにお店を継いだんだって。お店で出している中華麺は弘さんが毎朝6時から作っている自家製麺で、厨房奥にある製麺室で1玉ずつ丁寧に作っているんだよ。「ラーメンのスープを味わってもらいたから、切り出した麺にひとつひとつちぢれを加えているんです。そうするとスープの乗りが違うんですよ」。先代の教えを守りながら生み出す中華麺はやさしい口当たりと評判だよ。
8月も終わりだというのに、毎日とっても暑い日が続いているよね。そんな時はやっぱりこれ! ラーメンやチャーハンなどの定番中華があるなか、毎年夏になると提供を始めるのがこちらの色鮮やかな冷やし中華(800円)。先代の頃からお店に伝わる自家製の醤油ダレに練りゴマをブレンドした深みのある味わいを、自家製のちぢれ麺でひんやりとといただける夏の名物メニューだよ。ちなみに、「来集軒」では冬になるとワンタンメンが始まるんだ。夏と冬の名物をぜひ試してみてね!
これはお店で打っている自家製麺。先代の時から変わらず「龍舟(りゅうしゅう)」という中華麺用の小麦粉を使っていて、「来集軒」の顔ともいえるこだわりの麺だね。
「来集軒」の代名詞というしゅうまい。毎朝皮から手作りしていて、挽き肉をたっぷりのタマネギでつないだここだけの味。ソースをつけて食べるのが来集軒流なんだ。
しゅうまいはお持ち帰りできるんだ。10個入り750円~で販売しているよ。地方発送もOKで、今までに北海道や九州からも注文が入ったことがあるんだって。