ご主人の庄司晃市さんが子どもの頃、離れて暮らすおばあちゃんの家に行くと必ず手打ちうどんを作ってくれたんだって。時にはおばあちゃんと一緒にうどんを作ることもあって、小学校の卒業文集に「将来はうどん屋さんになる」って書いたほど。その後、庄司さんはサラリーマン生活を送りながら趣味でうどんを作りつづけ、30歳の時に会社をやめて店を持ったんだ。あれから26年。今では行列ができるほどの人気店になったんだよ。
武蔵野うどんが初めてという人にオススメなのが「田舎汁うどん750円」。全粒粉を練り込んだ飴色の麺はコシが強く、噛めば噛むほど小麦の香りが口いっぱいに広がるよ。つけ汁は、枕崎産のカツオの厚削りや利尻昆布でゆっくりと旨味を煮出した醤油味。豚肉や野菜、キノコがたっぷりと入っていて、食感も楽しいんだ。ほかにも「肉汁うどん700円」や「きのこ汁うどん700円」などがあるから、パパママと分けっこして食べてみてね。
この店の名物メニュー「みそ煮込みうどん950円」は、こだわりが詰まった一杯。コクを出すために欠かせないのは、庄司さんが選んだ愛知県にあるカクキューという会社の赤出し味噌。八丁味噌に米麹味噌をブレンドした深い味わいがうどんにじんわりと染み込んで、香りがたまらないんだ。毎年11月から3月は、大豆のペーストをのせた限定の「呉汁1,000円」も人気で、冬場は呉汁を目当てにやってくるお客さんも多いんだって。
2016年に「埼玉S級グルメ」の認定を受けた庄司さん。埼玉県で作られる食材や伝統的な郷土料理にこだわっていて、料理人の腕や店の雰囲気がとっても良い店だけに贈られるすごい賞なんだって。
木の風合いを生かした明るい店内は、カウンター席やテーブル席を合わせて60席。評判の武蔵野うどんを求めて、平日でも行列ができるほどなんだ。厨房でせっせとうどんを茹でる庄司さんの姿が見えるよ。
庄司さんの元には、「うどん店を開業したい!」という人たちが次々にやってきて修業をするんだ。うどんの打ち方はもちろん、ダシの引き方、開業までのいろいろな手続きなど、丁寧に教えてくれるよ。