子どもの頃から車好きだったオーナーの今井さんは、カッコイイ車が登場する『ナイトライダー』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の大ファン。将来は車に囲まれて仕事がしたい!と夢見た今井さんは18歳で自動車整備士の専門学校に入学し、卒業後は車の販売店などで整備士として活躍。その後、車のカスタム技術を勉強して25歳でAREA TEN-ONEを伊奈町にオープンさせたんだ。車のオーディオや内装カスタムといった仕事を専門に、いろんな車屋さんから仕事をもらって生活するという充実した毎日。そして、ついに運命の日がやってきた。
ある日のこと、仕事で知り合いの店に行くと、そこに1台のナイト2000が停められていた。あのナイト2000がなぜここに⁉と驚く今井さんに、店の主人は「アメリカ製のパーツでレプリカが作れるよ」とアドバイス。「それなら自分の手でナイト2000を作ってみよう!」と決意した今井さん。ベースとなるトランザムを調達し、数カ月をかけてナイト2000を完成させたんだ。できあがったナイト2000をお試しで販売すると、わずか1週間で完売。自分のようなナイトライダーファンが全国にいて、みんなナイト2000を欲しがっている。そう気づいた今井さんは、そこから本格的なナイト2000制作を開始することになるんだ。
初めて手掛けたナイト2000は外装だけのレプリカで、当時はまだ内装を忠実に再現できるパーツが数少なかった。内装カスタムの腕に自信のあった今井さんは100%レプリカ制作を目指した。アメリカで毎年開催されるナイトライダーフェスティバルを訪れ、多くのレプリカ車オーナーと情報交換。次第にドラマ出演者やスタッフとも交流するようになり、アメリカ国内のナイトライダーファンの間ではちょっとした有名人になったとか。そうして内装までバッチリ仕上げたナイト2000を完成させて販売を開始。今までに60台あまりのナイト2000を販売してきたんだって。
10年ほどかけてナイト2000を手掛けてきた今井さんが次に挑戦したのは、名車デロリアン(DMC-12)。1981年から82年のわずか2年しか製造されなかった超レアな車で、85年の映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で登場したとたん、世界中のファンたち憧れの車になったという伝説の車なんだ。今井さんは海外から状態の良いデロリアンを買い付けてきて、内外装をピカピカに仕上げて販売。映画仕様へのカスタムももちろん可能で、ナイト2000同様に全国から問い合わせが殺到しているんだって。
店内には今井さんが国内外で集めた貴重なアイテムがたくさん。ナイトライダー出演者たちのサインや、ブルーレイ化記念のイベントに実車を展示した時にもらった日本語版声優さんのサインなど、お宝だらけ!
ここ数年はデロリアン・グッズも集めている今井さん。販売当時のカタログやパーツカタログ、関連書籍などが置かれているんだ。奥にあるのは、デロリアン購入者だけに配られた超貴重なノベルティボトル。
デロリアンといえば、鳥が大きな翼を広げたように開くドアが有名だよね。これは、英語で「カモメの翼」を意味するガルウィングドアっていう名前なんだ。シートの上まで大きく開いた姿はとってもクール!