秩父の山々に囲まれた長瀞は、昔から田畑が広がるのどかな農村地域。ちなみに当時はまだ長瀞という地名じゃなくて、野上村や樋口村などの小さな村が集まったエリアだったんだ。明治44年に上武鉄道(現秩父鉄道)が通ると、ほかの地域から人や物、情報が入るようになり商業や工業が発展。その頃から、北関東有数の観光地としてたくさんの人でにぎわったとか。とくに人気があったのは、長瀞の代名詞といえる「岩畳」。荒川沿いに広がる独特な風景は地質学的にも素晴らしい場所とうたわれ、大正13年には国の名勝・天然記念物にも指定されているんだ。
長瀞町という町名ができたのは昭和47年のことだけど、じつは明治中頃から地元の人たちは長瀞と呼んでいたとか。流れのおだやかな川を「瀞」といって、それが1kmも続くから長い瀞で「長瀞」。そんな節があるんだ。
毎年3月下旬から、長瀞駅や宝登山のあたりにはいろんな桜が咲きそろうんだ。一番の名所は、不動寺の裏山を30種類の八重桜がきれいに彩る「通り抜けの桜」。
1万㎡の花畑をオレンジ色に染めるハナビシソウは、5月上旬から見頃を迎える長瀞の初夏の風物詩。遊歩道を散歩しながらかわいらしい花を眺めてみよう。
大正時代に始まったとされる、歴史ある夏の一大イベント。堤灯でライトアップした万灯船と打ち上げ花火が共演する、とっても幻想的なお祭りなんだ。
長瀞へお出かけするなら、宝登山と岩畳は絶対にはずせない! まずはロープウェイに乗って標高497mの宝登山へ。ロウバイやツツジといった季節の花が咲く、美しい風景が広がっているんだ。山からの眺めを楽しみながら遊歩道を抜けて、小動物園や宝登山神社にも立ち寄ってみてね。
山を降りたら今度は船下り。荒川の変わりゆく景色や、有名な岩畳を船の上から見てみよう。お腹がすいたら駅前のにぎやかな商店街がおすすめ。食堂はもちろん、おしゃれなカフェやジェラート屋さん、お土産屋さんまであるんだよ。
長瀞駅のひとつ北にある野上駅からほど近い長瀞町役場は、地上4階建てのかっこいいビル。長瀞町には、古代の化石や鉱物、動物のはく製などが展示されている「埼玉県立自然の博物館」など、お出かけスポットがまだまだあるんだ。