秩父山地に抱かれた現在の寄居町は、古代から近世にかけて武蔵国榛沢郡と男衾・秩父郡の一部だった。1476年に築城されたという鉢形城は、険しい崖の上にあったのが最大の特徴。北条氏、武田氏、上杉氏など、戦国武将にまつわる歴史エピソードもたくさんあるんだ。昔の寄居は農業地帯が広がっていて、養蚕業も盛んだった。そのため寄居で作る絹糸は、江戸から明治時代にかけて織物産業を支えていたとか。町の北東部にある用土地区では植木を生産する農家が多く、今でも植木の栽培が盛んなんだ。
明治から昭和初期にかけて合併を繰り返し、現在の寄居町ができたのは、旧寄居町・用土村・折原村・鉢形村・男衾村が合併した1955年(昭和30)のこと。「昭和の大合併」といわれるこの年には円良田湖も完成したんだ。 その後の1970年代には関越自動車道や玉淀大橋が開通し、町外からのアクセスも良くなった。1985年には町の西部を流れる風布(ふうっぷ)川とその源流の日本水が名水百選に選ばれるなど、近年は水の郷として多くの観光客がやって来るようになったんだって。
江戸時代の書物によると、鉢形城が開城したあとに甲州の侍や小田原の浪士たちが集まってきて住み着いたという説。また、城郭の周りにあった施設や集落を「ヨリイ」と呼んだという説などもあって、人が寄る町という意味が込められている地名なんだ。
7月第2土曜・日曜に開かれる、八坂神社の例大祭にあわせた夏祭り。各町内の男みこしと女みこし、子どもみこしが市街地を元気いっぱいに練り歩くんだ。
1931年(昭和6)から続く、寄居の夏の風物詩。玉淀河原にあがる花火と荒川に浮かぶ舟山車のコラボが名物で、「関東一の水祭り」って呼ばれるんだって。
鉢形城の歴史や町の成り立ちなどを学べるミュージアムと、城跡をモチーフにした広大な公園。園内には昔の場内にあった土塁や門が復元されているよ。
1985年に風布川とその源流の日本水が日本の「名水百選」に選ばれ、その10年後には国から水の郷として認定された寄居町。名水のある風景を楽しむ場所として造られたのが「日本(やまと)の里」。敷地内には水車小屋やホタル池、手ぶらで利用できる食材付きバーベキュー場などがあって、季節ごとにいろんな過ごし方ができるのが自慢だ。
大里郡寄居町大字風布74/048-581-5341/10:00~17:00(季節により変動)/バーベキュー場は予約が必要。
JR八高線、秩父鉄道、東武東上線が乗り入れる寄居駅のすぐ北側にある、ユニークな形をした寄居町役場の庁舎。1994年(平成6)に建てられたこの庁舎では、寄居町を支える職員のみなさんが働いているんだ。