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熊谷支局ブログ

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2012年 10月

熊谷支局員:大平 明日香

みどころ“萬斎”!?「のぼうの城」試写会レポート2012.10.22

戦国時代、忍城での攻防戦を舞台にした映画「のぼうの城」のプレミア試写会が、20日、地元の行田市産業文化会館で開かれました。
なんとゲストには、主演の野村萬斎さんと、原作者で脚本の和田竜さんが登場!大歓声に包まれました。

 

この日の試写会には、行田市民ら約800人が訪れました。うち、約300人は、行田市が募集した枠で、なんと倍率は32倍だったそうです!

 

上映前に、主人公・成田長親を演じた野村萬斎さんと、原作者で今回の映画の脚本を手がけた作家、和田竜さんが舞台あいさつしました。

野村さんは行田市には初めて訪れたそうで

「広々とした田園地帯。この近くに来ますと、水攻めのあと400年近くたって今、こういう町があるのだなあと生活を営んでいるのだなと思うと、感慨ひとしおでございます」

と冒頭に印象を語ってくれました。

「『のぼう様』と呼ばれた長親を演じてどうでしたか?」との質問には、

「つかみどころのない人物像で、そういう演技を心得ました。監督からは『数センチ浮いてください』といわれて浮いた演技をしてますけど」

と笑いを誘いました。

 

そして、原作者の和田さんです。

和田さんは2003年、「忍ぶの城」という題名で、脚本家の登竜門である第29回城戸賞を受賞。

翌年に映画化の打診を受けました。07年には、「のぼうの城」とタイトルをかえて小説を出版。

ベストセラーとなり、本屋大賞第2位、直木賞ノミネートと、一躍有名になります。

つまり、小説ではなく、脚本が最初だったんですね。

 

なぜ、忍城を舞台にしたのでしょうか??今回の舞台あいさつで明かしてくれました。

10年前、繊維業界の業界紙の記者をしていた頃、脚本の賞に応募しては落ちるを繰り返していたという和田さん。

その時の会社の同僚に、行田出身の男性がいました。

「映画が好きなら、地元に忍城があるぞ」。その話の衝撃が脚本の題材に走らせたそうです。

和田さんは、その後、貸し自転車で忍城跡周辺をぐるぐると周り取材をしました。

「これが映画化されて、たくさんの人が見に来てくださる映画にしようと思った。こうして行田で試写会が開かれることを思うと感無量です」

和田さんは当時を懐かしむように語ってくれました。

しかも、その同僚の男性が試写会にいらしていて、会場で手をふってくれました。

「彼がいなかったら、この映画は誕生していなかった、といっても過言ではない」と和田さん。

 

最後に見所を。

 

萬斎さん「見所は”マンサイ”でしてね」

 

会場、大爆笑です(笑)

 

「面白いシーンがでてきますし、ひとりひとりのキャラがこれまた面白い。見所はどれだか限定できない。

ただ、エンドロール。これは、今日、みなさん、席をたてないのではないでしょうか‥エンドロールは是非みていただきたいと思います」

 

意味深です!

 

和田さん「スペクタル合戦モノという珍しいジャンルなので合戦シーンはぜひ。また、この映画ならではのシーンは、萬斎さんの田楽踊りシーン。踊るだけでなく、サスペンスや軍略の要素もでてくる複雑なシーンなので、お楽しみいただきたい。個人的には、合戦の際に、萬斎さんが報告を受けるシーン。ここは短いですが声を上げて笑っていただきたい」

 

見所のシーン!楽しみですね。モントリオール映画祭でも笑いが起きたらしいですよ。

 

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惜しまれながら萬斎さんと和田さんが去ったあと、いよいよ上映。

 

私も大画面で鑑賞させていただきました。

 

映画論評など偉そうにできませんが、ただ、ひとこと。

この主人公、野村萬斎さん以外、誰が考えられる!?

考えられません!まさにはまり役!

そして、愛すべき個性あふれる脇役たち。敵も味方もです。

迫力ある合戦シーンと人間ドラマを見終えると、

 

私たちの住む埼玉県に、そして行田市に、こんなお城があったのかと。

歴史上でも有名な石田三成がやってきて、本当に水攻めをしたのだなと。

 

感慨深くなりました。

自分の住む町の歴史をもっともっと勉強しないといけませんね。

とりあえず、映画に出てきた史跡は早速、まわろうと思います(笑)

映画は11月2日、全国で公開されます!みなさん、ぜひ観てくださいね☆